「今使ってるメジャーが夏場熱くなって、魚が火傷する危険があるので、このまま使うのをためらってます。
アルミの板メジャーってどうなんですか?」
上記内容のお問い合わせを複数いただいております。
この回答が、私のアルミ素材のメジャーにこだわる理由に直結するため、
この場でお答えさせて頂きます。
まず、回答としては、傷火のリスク、非常に低いです!!
それはアルミの持つ特性、
①日光に対する反射性が高い
②熱伝導率が高い
この2点が伴っていることが重要です。
まず①日光に対する反射性が高いというのは、アルミは光や紫外線、放射熱を反射するため、熱を吸収せず、日光がいくらあってもあまり熱くなりません。
夏場に車のフロントガラスにアルミの日除けを付ける人もいると思いますが、同じ理由です。
ローカルトーナメントで、ライブウェルの上にアルミシートを貼って、水温が少しでも上らないよう工夫される人もいらっしゃいます。素晴らしい工夫だと思います。
これがアルミの特性です。
アルミメジャーは釣りの環境下で長時間日光が当たっても熱を吸収せず、外気温(その空間)とほぼ同じ温度になります。
では魚の体温はというと、魚は変温動物ですので、水温と体温が同じくらい。 水温は、水深によって当然差はあるのですが、外気温に影響されるので、ある程度外気温に近い状態になります。
ちなみに、水温の目安は、最低気温+最高気温 ÷2 ですので、ご参考までに。
とすると、蛇腹モデルをそのまま吊り下げて、大丈夫なのか?
船上では出したままでも大丈夫なのか?
→むしろ、そのまま吊り下げるのがベストです!
船上では、出したままがベストです!
結論アルミメジャーが外にある場合、
アルミメジャー、水温、外気温、魚の体温は、大きな差はありません。
これだけではまだ回答不足ですので、
②熱伝導率が高いということは、アルミはすぐに温度が変化するということです。
要は、熱しやすく、冷めやすいということです。
では釣りをしている時のメジャーが収納しているバックの温度は、どれくらいになるか。
バックの色、素材、通気性、日光の当たり具合で違いますが、
真夏なら、かなりの温度になることが想定されます。
アルミも①で記したとおりバックに入れてあれば、バックの中と同じ温度になります。
これは、他社のメジャーも全て同じです。
プラスチック素材の板メジャーが熱で反って消えたり、塩ビシートが伸び縮みしたり、溶けてしまったとの声も複数回お聞きしております。
融点がそれぞれありますから。
溶けたら相当な温度かと想定されます。。
プラスチックは、熱や紫外線を吸収します。
どのメジャーを使っても必ず計測する前に水に濡らすことをマナーとしていただきたいのですが、熱伝導率が高いアルミは水に濡らすと、すぐに水温と同じ温度に変化します。
ここがとても大きなポイントです!
さらにアルミは途中でも十分な強度と耐久性があるので、私は0.8~1mmの薄さで製作してます。
プロトでは1.2〜1.5mmも試しましたが、その必要が無いと判断しました。
薄いほど、秒で水温に近くなります。
他社メジャーも含めて、熱を吸収したメジャーを水に必ず浸けて、魚の体温に近づけて計測することが、大切だと思います。
そして火傷だけではありません。
魚の体表の『粘膜を守る』ことも非常に重要です。
粘膜が乾燥したり、傷がついてしまうと、大きなダメージを負ってしまいます。
粘膜は寄生虫や微生物から体を守る役割もあります。
リリースする魚であれば、できるだけ早くリリースを心がけていただきたいです。
ですので、私がアルミ素材にこだわる理由は、
『魚を傷つけることなく、瞬時に、正確に、計測できる』からです。
先日YouTubeでも、『秒で測る』(←クリックしてYouTubeへジャンプ)と題して動画をアップしましたが、
まんざらでもなく、重要です。
陸っぱりなら蛇腹モデルで、秒で計測できます。
船ならバックに収納しておく必要が無いです
。
魚の滑り止め用のシリコンゴムを6つ付属している理由も、同じです。
陸っぱりでも船でも平らな場所は少ないです。
低い側や水辺側、船体なら重心の低い側をあご当ててもらえば、魚が滑らずぴったり0cmスタートになり、瞬時に、正確に、計測できます。
写真を撮りたくても魚が中央に収まらない経験はアングラー誰もがあるかも思いますが、これで解消します。
アルミのジョイント枚数を偶数で作成している理由も同じです。
奇数の枚数にすると、折り畳んだ時にメジャーステッカーが表側になるため、熱を吸収しやすい黒系のステッカーの場合はその面だけ熱を吸収して熱くなってしまうからです。
ということで、
ハードタイプのアルミメジャーで、パっと取り出して、パタパタっと広げて、サっと測って、ドヤ顔の写真撮って、リリースOKなフィールドであれば即リリースです。
もたもたしてたら、粘膜が乾いて保護の役割を果たせなくなりますから。
魚へのダメージを極力抑え、楽しむことが、釣り人としてのマナーだと私は思っております。
薄くて、軽くて、耐久性があり、非常に長持ちする特性はもちろんですが、少しでもアルミ素材の特性やメリット、そして私がアルミ素材のメジャーボードにこだわる理由をご理解いただければ幸いです。